卿少納言

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桜より先に、咲いてやろう

桜より先に、咲いてやろう#

通勤途中に面白い広告に気づいた:

image

桜より先に、咲いてやろう。
花を咲かせる・花が咲く
京浜東北線 CM 早稲田アカデミー
2025-01-20

面白いと思った理由は、この文の「咲く」が辞典にまだ収録されていない用法であるべきだからだ。

「咲く」の説明だけを見ると、広告が何を表現したいのか全くわからない:

咲く
1 花のつぼみが開く。開花する。「大輪の花が —・く」「ぼたんが見事に —・く」
2 波が砕けて白く見える。「味鎌の潟に —・く波平瀬にも紐解くものかかなしけを置きて」〈万・三五五一〉
デジタル大辞泉(小学館)

しかし、関連する慣用句を調べると、理解するのは難しくない:

花が咲く
1 時節がきて栄える。「いつか —・く日もくるだろう」
2 それからそれへと、にぎやかに続く。「昔話に —・く」
デジタル大辞泉(小学館)

花を咲かせる
1 成功する。活躍して名をあげる。「永年の努力が、ついに大輪の —・せた」
デジタル大辞泉(小学館)

「花を咲かせる」を見て、「咲かせる」という単語があるのかと思ったが、調べたところ『新明解国語辞典 第八版』と『NEW 斎藤和英大辞典』にしか収録されていなかった。

ただし、これらの辞典は「咲かせる」の説明に「成功する。活躍して名をあげる。」に関連する意味を持っていないため、「桜より先に、咲いてやろう」の「咲く」は辞書にまだ収録されていない用法だろう。

さか・せる⓪【咲かせる】
(他下一)
〔「咲く」の使役形〕咲くようにする。
「一花ヒトハナ━〔= もう一度、その方面で活躍する〕」
『新明解国語辞典 第八版』

さかせる〔咲かせる〕
〈他動〉To make (a flower) bloom; to make (a tree) blossom
『NEW 斎藤和英大辞典』

拡張#

どのように [[慣用句識別アルゴリズム]] を使って「桜より先に、咲いてやろう」という文が「花を咲かせる」という慣用句を使用しているかを識別するのだろうか?

まず、個人的には「咲いてやろう」に対応する辞書形は「咲かせる」ではなく、「咲く」だと思う。[[大辞泉]] には「花が咲く」の説明に「成功する。活躍して名をあげる」がないが、Mecab も「花を咲かせる」を「咲かせる」と解析しないので、「花を咲かせる」と「花が咲く」が「花」+「咲く」で検索できるようにすればいい。また、興味深いことに、これら二つの慣用句は意味と形が非常に似ているが、「MOJi 辞書」の検索提示はこの二つの慣用句の関連を示さない。これは、彼らがキーワード抽出と識別を使用しているのではなく、他の方法を使用していることを示している。

次に、この例は [[運命の華]] の「摘み取って残した ここでいつか 華咲かせる」とは少し異なる ——「華」は確かに「はな」と読めるが、Mecab も解析を間違えない。しかし、「桜」は「はな」と解析されることはできず、Mecab に「当て字」も正しく解析させるのは少し無理がある。

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